ヒロットの歴史は古く、その始まりは5世紀頃とされています。特別な家系に口頭でのみ伝えられてきた文化のため、書物では詳細が残されていません。主な目的は、神経や血管が塞がった状態の「ピライ」や、筋肉や関節が冷えた状態の「ラミグ」から解放すること。具体的な効果としては、基礎代謝アップ、筋肉のコリや関節痛の改善、老廃物の排出、むくみの解消と引き締め効果、神経機能の改善と内臓機能の回復、さらに身体の歪みを正すことで生命エネルギーを整え、自然治癒力をアップすることが挙げられます。

実際にフィリピンで行われた調査では、妊婦が週2回、5週間続けてヒロット施術を受けたところ、腰や背中の痛みが取れ、睡眠の質も向上。さらにストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが低下し、陣痛の時間や痛みが軽減されることも分かりました。

現在多くのヒロットは伝統的な施術法にリラクゼーション要素も取り入れ、より癒やし効果を高めたものがスパ施設などでも導入されています。具体的には、指を使った素早くダイナミックな動きで身体の悪い部分を取り除く「ヒーリング」と、ゆっくり深く手の平を使った動きで血液やリンパの流れを整える「リラクゼーション」をベースに、コリや不調のある箇所にアプローチします。

そんなヒロットに欠かせないのが、ココナッツオイルです。ココナッツは「神の果物」とされていることもあり、ヒロットにはオーガニックのエキストラバージンココナッツオイルを使用するのが基本。またココナッツオイルを使うことで肌が柔らかくなるほか、保湿、紫外線防止・炎症抑制、抗酸化作用で肌の老化原因となる酸化の防止といった、さまざまな効果をもたらします。