フィリピンの基本情報
フィリピンの歴史
フィリピンの歴史を学ぶことで、観光地や文化の歴史的背景をスムーズに理解することができ、旅をより充実したものにしてくれます。意外と知られていないフィリピンと日本との関係についても注目です。
フィリピンの歴史
フィリピンに人々が暮らしはじめたのは、約25,000〜30,000年前の旧石器時代に遡ります。その後、様々な民族の混血を経て、フィリピン人多数派のルーツとなるマレー民族が誕生します。また、東南アジアと東アジアの中間に位置しているため、周辺国の民族の移動や交易が非常に盛んで、イスラム商人も訪れるようになり、イスラム教も広まりました。その後、1521年大航海時代に、探検家マゼランがスペイン船団を率いてフィリピンに来訪したことからスペインの干渉がはじまります。そしてスペインの長い統治時代に入ります。キリスト教をはじめ、スペインの文化、伝統、言語などは日常生活に今でも根強く残っています。
また、1543年、ビリャロボス遠征隊がサマル島とレイテ島の郡島を、当時の皇太子フェリペ(後のフェリペ2世国王)の名を取って、「フェリペ」と名付けたことが「フィリピン」の国名の由来と言われています。その後、1898年に独立運動が起こりスペインから独立しましたが、米西戦争後にスペインからアメリカに譲渡されて米比戦争が勃発し、アメリカの植民地となります。この間に英語教育や近代的公教育制度、司法制度などの民主主義国家の基盤が整備されました。その後、日本の占領などを経て、1946年7月4日に再び、「フィリピン共和国」として独立を果たしました。
フィリピンと日本との関係
周辺国との交易が非常に盛んだったフィリピンですが、1592年には豊臣秀吉によって朱印船貿易が始まり、マニラにも日本人町が作られました。キリシタン大名として知られる高山右近も日本を追放されマニラを訪れていて、日本人町には最盛期に3000人もの人々が暮らしていました。
その後、スペインやアメリカが植民地として支配していた歴史を経て、第二次世界大戦中の1942年には日本軍がマニラを占拠。しかし日本は戦争に敗れ、第二次世界大戦終了後の1946年にフィリピンは独立しました。しかし、戦争の被害は大きく、人びとの対日感情は良いとはいえませんでしたが、1956年に日比間で戦争賠償協定が結ばれ、国交が正常化。以来、両国は友好関係を築く努力を重ね、現在も良好な関係を維持し続けており、2021年の今年、フィリピンと日本は国交正常化65周年を迎えます。