フィリピン・トラベルマイスター検定

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フィリピンの食文化

フィリピンの名産

チョコ&コーヒー&ココナッツオイル

フィリピンの変化に富んだ地形と理想的な気候条件は、世界市場においても高評価を得る最高品質の農産物を生み出します。なかでもチョコレート、コーヒー、ココナッツオイルは、フィリピンを代表する名産品。世界中のバイヤーや消費者たちから支持されています。

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『フィリピンの名産』

チョコレート

フィリピンのチョコレートについて

フィリピンはカカオの主要生産国で、高級チョコレートや「Bean to bar」のファクトリーブランドが日々発展を遂げており、豆・板チョコともに国際的な注目が注がれています。赤道から南北20度の範囲で生育するカカオにとって、豊かな土壌と高い湿度を持つフィリピン南部の島々は最適の生産地。なかでもダバオは、商業用カカオのうち約80%もの国内生産量を誇るエリアで、カカオ業界のパイオニアである「マラゴス・チョコレート」の本拠地も有します。

そのほかバタンガス、セブも国内トップレベルのチョコレート生産地です。また近年フィリピンでは「Bean to Bar Maker」と呼ばれるチョコレート加工業者が台頭し、革新を起こしていることも話題になっています。

歴史

フィリピンはアジアで初めてカカオを栽培した国といわれています。カカオ栽培が始まったのは、1565〜1898年まで続いたスペイン統治時代。1670年頃にメキシコのアカプルコとマニラを結ぶガレオン船貿易を通じて、スペイン人がカカオを持ち込んだことが始まりでした。それから約1世紀後には、フィリピン農家たちが自宅でカカオの木を栽培するようになり、カカオは瞬く間にフィリピン列島中へと広まっていきます。

一方で、これほどまでにカカオ栽培に適した地でありながら、フィリピンでは長らくカカオは優先的に栽培される作物ではありませんでした。しかしそれがここ10年ほどで、世界市場と戦えるだけの高品質なカカオ産出国へと急成長しています。

現地での食べ方

地域差はありますが、フィリピンでの伝統的なチョコレートの味わい方として挙げられるのが、「シクワーテ」というチョコレートドリンクです。チョコレートを砂糖や生クリーム、牛乳と煮て、バティロール(またはモリニージョ)と呼ばれる泡立て器を使い、濃厚で泡立ちの良いチョコレートドリンクに仕上げます。

地域や時期によっては砕いたナッツやシナモン、バニラ、ナツメグ、ピーナッツバター、唐辛子とココナッツミルクなどを加えることもあり、レシピは各家庭さまざまです。シクワーテはチュロスや伝統的な塩パンのパン・デ・サル、ライスケーキ、揚げドーナツなどと一緒にいただくこともあります。

もうひとつの代表的な食べ方が、チョコレート粥の「チャンポラード」。溶かしたチョコレートと餅米を煮込む伝統料理で、古くから朝ごはんの定番として親しまれています。シクワーテやチャンポラードに使うチョコレートは、カカオを潰しタブレット状に固めた「チョコレート・タブレア」です。フィリピンのスーパーには、さまざまなメーカーのタブレアが並んでいます。

テーマパーク

ダバオにあるマラゴス・チョコレート・ミュージアムは、フィリピン初のチョコレート博物館。カカオの木の育成からチョコレート製造まで行う「Tree to Bar」ブランドの「マラゴス・チョコレート」の施設で、フィリピンにおけるカカオとチョコレートの歴史や文化を学ぶことができます。

ほかにもチョコレートフード&ドリンクが味わえたり、世界でひとつだけのチョコレート作り、カカオ農園の見学もできる、チョコ好き必見のスポットです。

コーヒー

フィリピンのコーヒーについて

フィリピンは「コーヒーベルト」と呼ばれる赤道を中心としたコーヒー豆生産地帯に属し、コーヒー栽培に適した国です。フィリピン産コーヒーの特徴としては、コーヒーチェリー(果実)と豆が大きいことが挙げられます。最大の生産地は、ダバオを含むミンダナオ島です。国内ではアラビカ種、エクセルサ種、リベリカ種、ロブスタ種の4種が栽培・生産されていて、なかでもフローラルでダークチョコレートのような風味のロブスタ種は、圧倒的な生産量を誇ります。

また濃厚な味わいが特徴的なリベリカ種は、「タフな」「男らしい」といった意味を指すバラコと呼ばれ、バタンガスではこのバラココーヒーが定番ドリンク。 フィリピンのコーヒー市場は比較的小さいながらも活発で、国内需要の高いインスタントコーヒーは90%の市場シェアを占めます。

ココナッツオイル

ココナッツオイルについて

フィリピンのココナッツ生産量は世界第2位で、2018年現在、360万haの国土に約3億3,870万本もの実の成るココナッツの木が生育しています。米、トウモロコシに次ぎ、ココナッツは国内第3位の収穫量です。81州中68州がココナッツの産地で、2020年第4四半期はダバオが全体の13.3%の生産量を占めました。 そんなココナッツを使った製品のなかでも、健康志向が高まる昨今人気なのがココナッツオイルです。

フィリピンは世界最大のココナッツオイル生産国として知られ、毎年10億米ドルの収益を上げています。同時に、EU、アメリカ、インドと並び世界最大のココナッツオイル消費国でもあるのが面白いところ。ちなみにフィリピンのようにココナッツ製品を食生活によく取り入れる国では、心血管疾患の発生率が低いことが報告されています。 なおココナッツオイルには、新鮮なココナッツで作るバージンココナッツオイルと、コプラという乾燥したココナッツの果実の胚乳で作る精製ココナッツオイルがあります。

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