フィリピンには現在、世界文化遺産が3件、世界自然遺産が3件、合計6件の世界遺産があります。透き通る美しい海が広がる国立公園や、スペイン統治時代の名残り感じるコロニアルな町並みなど、フィリピンの地理や歴史、文化を体感できる多様性に富んだ名所が登録されています。今回は、フィリピンの世界遺産6件をまとめてご紹介します。

1. フィリピンのバロック様式教会群(文化遺産/1993年登録)


フィリピンには、16世紀のスペイン統治時代に建てられたバロック様式の教会が多数存在しています。中でも、ルソン島の「パオアイ教会」「サンアグスチン教会」「サンタ・マリア教会」、パナイ島の「ミアガオ教会」の4つが「フィリピンのバロック様式教会群」として世界文化遺産に登録されています。石造りの教会は異国情緒たっぷりで、まるでスペイン統治時代にタイムスリップしたような感覚に。バロック様式をベースに、中国や東南アジア各国の建築様式の影響を受けた建造物もあり、見応え十分です。

2. フィリピン・コルディリェーラの棚田群(文化遺産/1995年登録)


ルソン島北部の「コルディリエーラ山脈に広がる棚田」は、2,000年以上に渡ってイフガオ族が継承されてきた農耕技術が評価され世界文化遺産に登録されました。長年、手作業で耕されてきた棚田は彼らの血と汗の結晶。その美しい姿から「天国への階段」と称されています。

3. ビガンの歴史地区(文化遺産/1999年登録)


マニラから北に約400kmの場所にあるのが、16世紀のスペイン統治時代につくられた町並みがそのまま残る「ビガンの歴史地区」。石畳の通りが続きカレッサ(馬車)が行き交う光景は、この地の名物。カフェやレストラン、ホテルなども町の中に点在しています。

4. トゥバッタハ岩礁自然公園(自然遺産/1993年登録)


パラワン島から南東へ約180km沖合にある「トゥバッタハ岩礁自然公園」には、巨大な珊瑚礁が広がり、その面積は東南アジア最大級。2つのリーフがあり、エダサンゴやソフトコーラル、熱帯魚や回遊魚の宝庫として知られ、多くのダイビングポイントがあります。

5. プエルト・プリンセサ地下河川国立公園(自然遺産/1999年登録)


手つかずの自然が残るパラワン島の地下を流れる河川は、『新・世界七不思議 自然版(New7Wonders of Nature)』のひとつにも選ばれた神秘的な世界遺産です。地下河川は、全長8.2km、天井の高さ6.5m、水深は潮の干満によって変わり、最大で14mにもなります。

6. ハミギタン山地野生生物保護区(自然遺産/2014年登録)


ミンナダオ島南東部、ダバオ・オリエンタル州にある6,834haにおよぶ森林保護区です。標高1,620メートルの森には1,380 種の動植物が生息していて、ここでしか見られない固有種や、絶滅危惧種も多く生息しています。